杉田智和、阪口大助、釘宮理恵の「銀魂」との15年――家族にも似た絆と信頼(映画.com)

出典元:映画.com

2021年1月8日公開の映画「銀魂 THE FINAL」で、今度こそ、本当に(?)、アニメ「銀魂」が最後を迎える――! 2006年に放送がスタートし、シリーズ15年の歴史のなかでは“終わる終わる詐欺”もあったが、今作こそが最後のバカ騒ぎ。シリーズをけん引してきた、万事屋キャストの杉田智和(坂田銀時役)、阪口大助(志村新八役)、釘宮理恵(神楽役)は、「銀魂」15年のなかで、何を見て、何を思い、そして何を築いてきたのか。多くの話題をふりまき、多くのドラマと笑いを描いてきた「銀魂」。その全ての瞬間をともにした3人に、15年の歩みを振り返ってもらった。(取材・文/編集部)

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▼気負いも感傷もない
 最後まで、いつも通りの「銀魂」

 “最後のバカ騒ぎ”と銘打たれた今作だが、祭りの中心にいるはずのキャスト3人は冷静だった。

 杉田「大きなニュースに対して、平常心でいることの方が重要だととらえていました。一緒になって騒いだり、みこしの上に担がれてしまったら、身動きがとれなくなってしまうんです。出演者の立場としては、重くとらえすぎず、『どうやったらみんなに楽しんでもらえるだろう』『祭りの翌日、汚くなった街を誰が片付けるんだろう』といったことを意識すべきと考えていました」

 阪口「『終わるんだな』とストレートに受け止めました。原作も終了したわけですし、こうなることはわかっていたことなので。同時に、最後まで走りきることができるとわかって、非常にありがたかったです。ただ、感傷的になるとかは一切なかったですね」

 釘宮「私も『ああ終わるんだな』と淡々と受けとめました。もともと終わるものだとわかっていたことなので、特別『さびしいな』とか『もうできないのか』みたいな悲観的な思いはありませんでした。ただ私は、もともとエモーショナルな人間なので、あえてさらりと受け止めるようにしていたのかもしれないなとは思います」

 平常心で、いつも通り。その姿勢は現場も同じだった。杉田は「監督やプロデューサーをはじめとするスタッフの挨拶も特になく、自然と『収録をはじめます』となった」と振り返り、「“そっち”でよかった」と吐露。阪口と釘宮も、「終わってからお花をもらうとかも一切なく。淡々とやって、淡々と終わっていきました。本当にいつもの『銀魂』でした」(阪口)、「いつも通り、みんなが全力で普通にがんばった収録でした」(釘宮)と声をそろえる。

 杉田「現場に“気負うという意味でのストレス”がなかったんですね。脱力することや力を抜くことが、『さぼってる』『がんばらない』ということではない。そのことが現場に自然とあらわれていたので助かりましたし、うれしかったです」

 だが、いつも通りいかないこともあった。コロナ禍の収録のため、アフレコは最小人数。それでも万事屋キャストは3人そろっての収録が実現した。そのことへの感謝を口にすると同時に、現場で生じた思わぬ弊害を教えてくれた。

 阪口「3人集まれたのは僥倖(ぎょうこう)ですよ。本当にありがたかったです」

 杉田「当たり前だと思ってたんですけどね。案外そうじゃなかったんだと」

 釘宮「3人そろったのは本当にありがたかったです。でも3人そろっているにも関わらず、アクリル板がマイクとマイクの間にあることで……。新八と神楽は息を合わせて同じセリフを言うことが多いんです。アクリル板がない普通の状態だと、ちょっとしたアクションや空気の振動を感じ合うことで、ほぼ息が合っていましたが、アクリル板はそういった空気を断ち切ってしまうみたいで、いつもよりオーバーにやらないと息が合いませんでした」

 阪口「微妙にずれてるぞ、気持ち悪いなと」

 釘宮「私が『なんでだろう』と思っていたら、大助さんがすぐにアクリル板のせいだと気づいて」

 阪口「ちょっとした変化なんですけどね。だから、1回OKが出たセリフを録り直したりね」

 杉田「ありましたね。横で見ていても『なぜなんだろう』って。息が合わないなんて、あり得ないのに。薄い板1枚にあんな効果があったなんて」

 阪口「わからないもんだね」

▼「銀魂」スタート当初の思いとは
 葛藤と変化のなかにいた杉田――「すぐそばにはお2人がいてくれて」

 アニメ「銀魂」テレビシリーズ第1期がスタートしたのが06年。3人が最初に万事屋としてアフレコをしたのは、05年の「ジャンプアニメツアー2005」だったという。

 杉田「ずっと背伸びしたまんまマイク前に立ってました。ちょっとでも力が入ったら転倒していたと思います。そのくらい地に足がついてなかった。『どうしよう、目上の人だらけだ』って。どうして自分の声はこんなに出ないんだろうとか、なんでもっと声がのびないんだろうとか、存在感ってなんだろうとか、結果を出すことばかり考えて焦っていました」

 阪口「僕はなんの気負いもなく入れるキャラだったので、ただただ作品のノリと勢いについていくことだけを考えていました。アニメツアーということもあって、演者が楽しくなければ伝わらないと思い、あの状況を楽しむだけだったような気がします。すごく楽しい思い出です」

 釘宮「そんなに最初から楽しかったなんて、うらやましいです! 私は『緊張しすぎて空気うすいなあ』『本当に酸素足りてる?』みたいな感じでした(笑)。最初の2、3年はずっとキャラが固まらなくて。オーディションの時に『“いわゆる中国人キャラクター”みたいなしゃべり方にはしないでください』と言われたので、必死に『いわゆる』の真反対をいくように演じていました。最初の頃は大助さんに『本当に神楽でした?』としょっちゅう聞いてた気がします」

 釘宮の告白を聞き、思わず「釘宮さんが不安を抱いていたなんて。信じられないです」と驚く杉田。そして、3人が共演した01年放送のアニメ「学園戦記ムリョウ」出演時に抱えていた思いを明かしてくれた。「『学園戦記ムリョウ』の頃から、釘宮さんはマイク前でものすごいお芝居をされるイメージでした。一方当時の僕は、目の前が真っ白になって、自分が何をしているかわからなかった。不安で、つらいという気持ちしかなかった。当時は19、20歳くらいでしたが、『プロでいられない』と感じ、逃げるようにフリーランスという道を選んで。大学生というモラトリアムのなか、親と同じ公務員になる未来も3分の2くらい意識していました」。

 「銀魂」の主演に抜てきされてからも、杉田の不安は消えなかったという。

 杉田「むしろ不安がピークに達したんです。頂点でした。『まずい! 死んで詫びなきゃ世の中に!』って」

 阪口「究極だな!(笑)」

 杉田「もう死ぬしかないと(笑)。そのぐらいになってました」

 そうした心境は、次第に変化していったそうだが、「これが転機、これがきっかけっていうのは思い出せない」という。だが間違いなく、そこには「銀魂」が、阪口と釘宮がそばにいた――「『銀魂』の現場で一緒になる人達が自分よりも若い世代になってきた時に、『これじゃだめだな』と思って。僕は基本、自己否定から入るタイプですが、自己肯定をはじめないともたないと感じ、徐々に変わっていったように思います。そして、すぐそばにはお2人がいてくれて、そのことに感謝しきれません。いろいろ踏みとどまれたなって」。杉田は阪口と釘宮の存在を「特大のセーフティネット」とも言っていた。

杉田「本当にみんなやさしい。甘やかされてます。僕は絶対に甘えてるんです。否定できないです」

阪口「それは僕もそうだからね」

釘宮「みんなそうですよ」

阪口「杉田くんとくぎみー(釘宮の愛称)にも甘えてるからね。お互い甘え合ってますから(笑)」

釘宮「皆さん、他の現場でも甘えますか?」

阪口「どんな質問だよ!(笑)」

杉田「ぞくっとしましたよ(笑)」

釘宮「どうなのかなと思って(笑)」

▼3人の関係は「多分、家族に近いんでしょうね」(阪口)
 「一緒にこたつに入っているようなイメージ」(釘宮)

 「銀魂」の15年間で築いたものとは? 3人の関係性の変化を問うと、家族という言葉が出てきた。

 釘宮「3人でごはんに行くと、それぞれ自分が頼んだものをもくもくと食べるんです。でも真選組(のキャスト)も一緒に行くと、鈴村(健一)さんが『一口味見させて。僕のもどう?』とおっしゃるので、全員で分け合って、急に大家族の食卓みたいになります(笑)。でも3人になると、やっぱり自分の頼んだ分だけ食べる。なぜか『そこはちょっと恥ずかしい』みたいな気持ちになっちゃうんですよね」

 阪口「多分、家族に近いんでしょうね。親きょうだいとは『ちょっとそれ一口いい?』ってあまりしないけど、友達同士だとするじゃないですか。なんとなくそういう感じになってきてるのかな。友達ポジションの真選組が入ってくると、また違った一面が出せるというか」

 釘宮「でも3人でいる時は、同じこたつの中に入って、よだれを垂らしながら寝てても全然大丈夫みたいな安心感があります。こたつで寝て、起きたら『みかん取って』みたいな(笑)」

 阪口「雑だな(笑)」

 杉田「『取って』と言う前にみかんがくることもあります。『食いたそうな顔してたから』って。俺の感情を読まれている、なんてこった!」

 釘宮「(笑)。そんな風に、3人一緒にこたつに入っている、テーブルを囲んでいるようなイメージはあるかもしれません」

 「かと言って、そんなにべたべたしない。良い意味での緊張感は常に保っています」とも語る杉田。役者同士としては、互いをどう見ているのか。阪口は「杉田くんも、くぎみーも、僕の持ってないものを持っています。正直ふたりは天才なんで。だから僕は、この作品に関してはレシーバーになれればいいと思っていました。ふたりが気持ちよくお芝居ができるよう、僕は感度をガンガン上げて、ふたりの弾を完璧に打ち返せばいい。そうすれば、面白くなるはずだと。2人の手助けができればいいと思ってました」と説明する。

 釘宮も「今、大助さんは『完璧に打ち返せたら』とおっしゃってましたが、たゆまぬ努力をされていたことに驚きました。いつもごく自然に完璧に打ち返してくださるので。今日のさりげないツッコミも完璧でした」と、全幅の信頼を寄せる。そして、瞳をキラキラさせながら「で、杉田さんが『新八、神楽』って言う時は、なんかわくわくするんです。それが、なんかいい感じだなと思います」とまっすぐな眼差(まなざ)しで話す姿が印象的だった。

 阪口「この2人は、本当にすごい。2人とからめたこの15年間は楽しかったですね、やっぱり」

 杉田「お2人は僕からすれば先輩ですから、役柄通りの関係性じゃないんです。でも、役柄以上に信頼してます」

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