出典元:オリコン
七夕、織姫と彦星が会うというロマンティックな伝説があるこの日。猫の保護活動を行うNPO法人『ねこけん』のボランティアメンバーが出会ったのは、3匹の子猫たちだった。子猫を含む14頭がいたのは、差し押さえにあった物件。今回はなんとか救うことができたが、近年問題視されている多頭飼育崩壊はいっこうに減っていないという。代表理事・溝上奈緒子氏に話を聞いた。
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■「愛護センターに引き渡されるくらいなら」、強制執行補助業者の協力で劣悪な環境から救い出す
七夕の日に『ねこけん』にやってきた子猫3匹は、「七夕」「織姫」「彦星」と素敵な名前がつけられた。だが、この猫たちが元いた場所は、まったくもってロマンティックでも安全でもなかった。保護要請の連絡をくれたのは、これまでも何度も協力してくれた強制執行補助業者の人だ。
「差し押さえにあった物件から荷物を一時保管する業者さんなのですが、物件の中に犬猫などの動物がいることが多いそうで。その方は猫好きで、以前も連絡をいただいて『ねこけん』で犬猫を保護したことがありました。差し押さえは毎日のように発生し、年間20頭ほどが差し押さえられるということだったので、『そのときは必ず連絡をしてほしい』とお願いしていたんです」
年間20頭。それだけでもかなりの数だが、実際は「すでに100頭近く保護してます(笑)」とのこと。それでも「愛護センターに引き渡されるくらいなら、うちがやる」と、多くの猫、ときには犬を保護してきた。
今回保護された子猫がいたのは、差し押さえにあったある夫婦の家。
「家のローンが払えなくなり、裁判所から差し押さえにあったという30代の夫婦で、幼稚園のお子さんもいました。人間たちは一つだけキレイだった部屋に住んでいましたが、子猫を含む14頭の犬猫がいたのは、ものすごく汚い部屋。ケージは糞尿にまみれ、臭いもすごくて。猫たちは3~4回洗って、ようやくマシになったくらいでした」
何年もの間、清潔にされることなく汚れ続けた環境の中で、汚い茶碗にまかれたゴハンを食べて生き延びた大人の猫たち。母猫は、そんな中で子猫を守り育てたのだ。