実在の和平オーケストラがモデル、映画『クレッシェンド 音楽の架け橋』(オリコン)

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出典元:オリコン

“世界で最も解決が難しい”とされる紛争で、今この時も闘うパレスチナとイスラエルから、音楽家を夢見る若者たちを集めてオーケストラが結成する――現実にはあり得ない物語に見えるが、実在の管弦楽団へのインスパイアから生まれたという驚きの映画『クレッシェンド 音楽の架け橋』が1月28日より全国公開される。

【動画】映画『クレッシェンド 音楽の架け橋』予告編

 本作のモデルとなった実在の楽団とは、現代クラシック音楽界を代表する巨匠指揮者ダニエル・バレンボイムと、彼の盟友の米文学者エドワード・サイードが、中東の障壁を打ち破ろうと1999年に設立した和平オーケストラ。

 ゲーテの著作のタイトルから「ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団」と名付けられたその楽団には、二人の故郷であるイスラエルとパレスチナ、アラブ諸国から若き音楽家たちが集い、「共存への架け橋」を理念に、現在も世界中でツアーを行うなど活動を続けている。

 ちなみにバレンボイムは、現代音楽界で最高峰の指揮者・ピアニストであり、現在、ベルリン国立歌劇場音楽総監督も務める人物。昨年6月、16年ぶりに来日ピアノリサイタルを行った際にはチケットが即完売となるほど、日本でも高い人気を誇っている。

 敵対する民族の若者たちが集まっていたこの楽団では、日中はオーケストラのリハーサルを行い、夜にはワークショップやディスカッションを行なった。政治論争ではなく、音楽や文化について、できるだけ対話を促したいという想いがあったそうだ。プログラムの中では、例えば、対立するシリア人の少年とイスラエル人のチェロ奏者が隣り合わせになって譜面台を共有していたという。

 「彼らは同じ音を、同じ強弱で、同じボーイングで、同じ響きで、同じ表現で演奏しようとしていた」「彼らはもうおたがいを前と同じように見ることができなかった。共通の体験を分け合ったからだ。これこそが出会いの大切さだと僕は思う」とバレンボイムはインタビューで語っている(「バレンボイム/サイード 音楽と社会 」みすず書房 より)

 映画にもそのスピリットは受け継がれている。和平コンサートに向けた合宿で、激しく憎しみをぶつけ合っていた楽団員たちは、譜面台を共有し、さまざまなワークショップに取り組んでいく。劇中で楽団員を演じた者の中には、実際にウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団に所属する奏者も含まれていた。

 「架け橋」を目指す実在のオーケストラの熱い想いを受け継いだ本作のラストに待つ、誰も想像しなかった“魂の演奏”とは!? 若者たちの対立と葛藤、恋と友情を彩るクラシックの名曲の数々も劇場で堪能したい作品。

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