中華娯楽週報 第18回:武侠小説特集後編――現代中国文学を代表する金庸、古龍、梁羽生の絢爛たる御三家(下)(IGN JAPAN)

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こんにちは!「香港ガリ勉眼鏡っ娘ゲーマー」こと歐陽です。中国・香港・台湾を含む中華圏のゲームや映画、アニメなどの情報を発信し、社会事情を分析するコラム「中華娯楽週報」。第16回から、ゲームや映画を含む中華の広範な娯楽文化全般によく登場する武侠を特集し、中国における「侠」の歴史や武侠文化、そして現代中国文学に欠かせない武侠小説についてお話をしてきた。戦後の武侠小説(新派武侠)の作家として最も有名な金庸(きんよう)を紹介した第17回に続き、今週は新派武侠の御三家の残りの二人、古龍(くるん)と梁羽生(りょう うせい)を取り上げる。

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この二人は、日本では知名度が金庸に及ばないが、それぞれ金庸とは違う独特な趣向と特徴があり、同様に大勢のファンを誇っている。御三家を通して見たときに、はじめて武侠小説の奥深い世界を把握できる。以下では、武侠特集の完結編として、まずハードボイルドの作風を持つ古龍、次に古典的な味わいが濃厚な梁羽生を紹介する。
大量の作品を書き、繊細な心理描写と友人関係の表現を得意とする古龍
武侠小説の第一人者とされる金庸と比べて、古龍はとにかく「書くのが速い」。古龍は、彼自身が書いていることが確証された武侠小説だけで、40年あまりの生涯で60作以上もある。なお、古龍名義で出版された小説は160ほどもあるが、その多くはお金欲しさに他人に「名義貸し」をしたものである。古龍は武俠小説の世界を体現するような無頼な生き方をしていて、作家でありながらその生き様はまるで侠客そのもので、「古大侠」とも呼ばれたのだ。

古龍は細かいところに拘りを持たない男だった。小さい頃に両親が離婚し、生活も裕福ではなかったので、大学時代の生活費を稼ぐために小説を書き始め、早くも才能ある若者として頭角を現した。しかし、本人は世間の名誉など気にもしない様子で、小説を書くのはお金のためだと躊躇いなく放言する。酒をこよなく愛する酒豪で、金遣いも非常に豪快な人物だったので、常に金欠状態が続き、そのため名義貸しと代作をさせる行為を頻繁にしていた。
まるで豪放さと酒好きで知られる唐の詩人、李白と同じように、古龍もよく友人を招いて一緒に酒を飲んでは大量に散財し、原稿料を前借して一日で使い切ったりする。4回も結婚しているだけではなく、この「大侠」は数多くの女性と関係を持っているとされ、古龍の各作品の影には1人ずつの女性がいるとも言われる。
さて、そんな古龍だが、その作品は繊細な心理描写と、特に男同士の友人関係の表現が突出している。先週紹介したように、金庸作品では主人公の成長を描かれるパターンが多いが、古龍の小説ではキャラクターたちが初登場から確立した人格と武術を持っている。どのようにして今の人物になったかという説明が少なく、過去にはほとんど触れないが、現在いる人物に関しては秀逸な描写をしている。

例えば「小李飛刀」シリーズの『多情剣客無情剣』(小李飛刀は本作の主人公、李尋歓の必殺技)では、3人の男性キャラクターの感情関係が描かれている。主人公の李尋歓は、相思相愛の恋人(林詩音)がいるにも関わらず、友人の龍嘯雲が彼女を愛していると知って身を引いた。だが、李尋歓も、今や人妻になった林詩音もお互いを忘れることができず、友人の龍嘯雲も李尋歓に負い目を感じ、李より自分が男として劣っているというコンプレックスを持っている。
後に李尋歓は阿飛と名乗る正体不明の青年と出会い、親友となるが、阿飛と一緒に行動しているうちに、李尋歓は二度と会わないと誓った元友人・恋人の龍嘯雲と林詩音に遭遇してしまう。このように3人の男と林詩音という女をめぐって物語は進むが、古龍の小説では女性が脇役であることが多く、『多情剣客無情剣』でも男性同士の関係に重きが置かれている。李尋歓と兄弟の契りをした龍嘯雲、そして共に旅する阿飛との間の微妙で繊細な感情関係が細々と描かれている。ネタバレはしないが、意外な展開により生と死が分かれることとなる。また、阿飛のように頼りになる男性の友人(相棒)の存在も古龍作品の特徴である。

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