ヒット曲を次々と世に送り出す米音楽出版社CEOが語る、ダイヤの原石を探すコツ|音楽ビジネスストーリー(Rolling Stone Japan)

出典元:Rolling Stone Japan

セレーナ・ゴメスやビービー・レクサといったアーティストのソングライターと仕事をする音楽出版社CEO・マネージャーのケイティ・ヴィンテン。音楽業界で才能豊かな人材を見つけ、そうした人材を引き留めておくための戦略について語ってくれた。「人が音楽というキャリアを選択する理由を明らかにしたい」。

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めまぐるしく変化する音楽業界を牽引する人々の舞台裏に迫る、米ローリングストーン誌の連載、At Work(アット・ワーク)。さまざまな職種や新しいアイデアの紹介、さらには新規参入者へのアドバイスをはじめ、音楽業界に関する多種多様なテーマを探求する。

ケイティ・ヴィンテン氏は、米ニューヨーク大学で映画を専攻した。当時の彼女は、いつか自分が音楽業界で働くとは夢にも思っていなかった。卒業後はEMIミュージックパブリッシングのジョン・プラットCEOのアシスタントになった。それでもヴィンテン氏は、自身がいつかCEOになるなど、想像すらしなかった。

EMI退社後はワーナー・チャペル音楽出版のA&Rディレクターとして頭角を現したが、この2年という短い期間でヴィンテン氏は、ワーナー・ミュージック・グループとパートナーシップを結び、Facet RecordsとFacet Publishingをソングライターのジャスティン・トランター氏と共同で設立した。それだけでなく、ソングライターのマネジメントと育成を直接行うBlack Diamond Management Companyまで立ち上げたのだ。この3社を介し、ヴィンテン氏はアリアナ・グランデ、デュア・リパ、ヘイリー・キヨコ、ザ・チェインスモーカーズなどのアーティストを支えるソングライターと仕事をしている。さらにヴィンテン氏はセレーナ・ゴメス、ジュリア・マイケルズ、ジャスティン・ビーバーの大ヒット曲誕生の立役者でもある。

「人が音楽というキャリアを選択する理由を明らかにしたい」とヴィンテン氏は語る。「自分は何が得意で、どんな知識を持っていて、どうしてこれをするかをみんなが自覚していなければいけないと思います」。コロナ禍においてオフィスになったロサンゼルスの自宅でヴィンテン氏は自身のキャリアの変遷について本誌に語ってくれた。そこで彼女は、子どもたち、クライアント、従業員に追われながらも、ハードなスケジュールをこなしている。

ーアーティストあるいはソングライターと初めて仕事をする際は、どのようなアプローチを取るのですか? どのようにしてその人のスタイルを評価するのでしょうか?

いつも最初に語りかけてくるのは、音楽のポテンシャルです。大切なのは、その音楽の背後にいる人物とつながりたいと思えるほど、私自身が魅了されるかどうかです。それだけでなく、その人とチャットでのやりとりを着実に重ね、ソングライター仲間と同室になってもらい、彼らのフィードバックを聞くことも必要です。適性テストというよりは、「私は、あなたに合っているの? 私には、あなたにふさわしいアイデアがあるの?」と互いに質問し合うのです。

たいていの場合は、本能的直感や母性本能のように何かを感じます。たとえSpotifyで1位になれるような、世界でもっとも才能豊かな人物であっても、ダメ人間とは一緒に仕事したくありません。ダイヤモンドの原石を探しているんです。

ー新しいアーティストあるいはソングライターとの関係性を築くには、どれくらい時間がかかりますか?

私は、人が音楽というキャリアを選択する理由を明らかにしたいのです。たとえば、それがお金目当てなら……私にとってお金は、自分がしたことの副産物以外のなにものでもないので、金銭的な理由で音楽に興味を持っている、あるいはただ有名になりたい人には興味がありません。どんな人間関係においても、感情的な親密さなしにその関係が良いものだと感じることはできません。誠実な会話があってこそ、それが良いものだと感じられるのです。そのためには、いくつかのコツが必要です。

マネジメントの場合は、もう少し寛大でいられます。パートナー企業がいませんから。でも、音楽出版の場合は、この業界はとても早いスピードで動き、他社のオファーも熾烈ですから、結果タイムリーな判断を下す必要があります。必ずしも時間的な余裕や、いくつかのことを試してみる機会が与えられるとは限らないのです。でも、間違いから多くのことを学べると思っています。結果的に契約相手が最適な人材ではなかったとしても、お互いが多くを学んだことになるのです。

「ワオ! この才能は現実とは思えないほど素晴らしいわ。でも、彼らが業界の仕組みを理解しているかどうかはわからない。彼らは、私たちが経験してきたような拒絶を受け止める覚悟はあるのかしら? それに耐えられる精神的な強さはあるの?」と思うことが時々あります。才能豊かなある人物と出会い、「このやる気は尋常じゃないわ」という印象を受け、そのうえ彼らが善良な人たちだったら、そのときに初めて彼らを次のレベルへと押し上げられるのです。

自分は何が得意で、どんな知識を持っていて、どうしてこれをするかをみんなが自覚していなければいけないと思います。自分自身の目的と完璧に合っていること。私にとってはこれが重要なんです。

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