
コムキャストとディズニーの間で21世紀フォックスの買収戦争が激化していたが、反トラスト法に関して米司法省の承認を得たディズニーが、21世紀フォックスのエンターテイメント関連の資産に一歩近づいた。
Bloombergが報じているように、ディズニーにとってフォックス買収の最後の大きなハードルとなっていたのが、一連の反トラスト法だ。ディズニーは“合併によって生じる競争上の損害を解決する資産売却”に合意することで、反トラスト法の抜け道を見つけた。
ディズニーの合意により、米司法省は連邦裁判所にて買収計画を承認した。これを受け、コムキャストはフォックスの資産を手にするために、再び買収提示額を引き上げるのではないかと見られている。
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コムキャストが、全額現金による650億ドル(約7兆1700億円)の買収案を提示した1週間後に、ディズニーが買収額を713億ドル(約7兆8400億円)に引き上げ、先週フォックスはディズニーの提示額を受け入れていた。ディズニーは今回、反トラスト法という大きなハードルを乗り越えたが、この承認を受け、再びコムキャストが買収提示額を上げてディズニーの前に立ちはだかる可能性もある。
フォックスの買収によりディズニーが手にできる最大の資産は、『X-MEN』や『デッドプール』といったマーベル作品シリーズの所有権だ。ディズニーの買収がまとまっても、『Guardians of the Galaxy Vol. 3(原題)』は製作が進みすぎているため、フォックスが所有するマーベル・キャラクターは登場せず、買収の影響は受けないだろうと報じられていた。