【「FLEE フリー」評論】オスカー3部門ノミネート。受賞は逃したが、歴史を変えた1本(映画.com)

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出典元:映画.com

アカデミー賞で受賞はできなかったけれど、ノミネートの時点で歴史的快挙を成し遂げたのが、本作「FLEE フリー」です。2022年のアカデミー賞で、国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞の3部門でノミネートされました。

【動画】「FLEE フリー」予告編

 これを疑問に思う方も多いでしょう。「ドキュメンタリーなのに、アニメ?」「アニメなのに、ドキュメンタリー?」私も最初はそう感じました。しかし、過去に思い当たる映画も何本かあったので、ある仮説をもって本編を鑑賞することにしました。

 アフガニスタンで、父親をタリバンに連行された青年アミンは、残された家族全員で国を脱出します。一家はまず観光ビザでロシアに入国しますが、やがてビザは失効し、西側の国を目指して何度もロシア出国を試みるという難民案件です。この家族は大変な苦労の末に、どうにか脱出に成功します。しかし主人公のアミンは、自身の経験や経歴について、他人(=この映画の監督)に語れるようになるまで、かなりの年数を要しました。

 「戦場でワルツを」という映画がありました。イスラエルのレバノン侵攻と、それによるPTSDについて描いた名作ですが、主人公の経験をアニメで表現するという斬新な手法で、アカデミー賞候補(外国語映画賞)になりました。これはドキュメンタリー映画ではありませんでしたが、ほぼ全編ノンフィクションです。「FLEE フリー」の監督も、同作の影響を受けたと語っています。「馬三家からの手紙」というドキュメンタリー映画では、主人公が強制収容所で使役労働に服していた様子をアニメで再現していました。映像が残っていない出来事は、当事者のインタビュー映像などで構成するのが定番ですが、アニメーションを制作することによって、より表現力が高まります。「ヴィム・ヴェンダース プロデュース ブルーノート・ストーリー」というドキュメンタリーでも、同様の演出が多用されていました。

 「映像が残っていない」「当事者が故人である」といった事例について、アニメを活用してドキュメンタリー作品に組み込むという手法が、最近明らかに増えています。そして、アニメを使う効用は、登場人物が特定されることを防ぐという意味合いもあります。登場人物の経験した出来事を、アニメで再現する。本人ではなく、声優がアフレコする。これによって、タリバンから追われる主人公の身バレを防ぐことができます。私の立てた仮説は、まさにこの「身バレを防ぐために敢えてアニメにした」というものでした。映画の冒頭で「これは実話である 登場する人々の安全のため名前と場所を一部変更した」と出ますので、ほぼ正解でしょう。

 もちろん、アニメは本質的にはフィクションですから、アニメ部分が大半を占める「FLEE フリー」が映画賞のドキュメンタリー部門でノミネートを受けることには違和感も残ります。しかし、一方で映画製作に関する自由な発想や表現力の追求について考えると、「アニメ」とか「実写」とか「ドキュメンタリー」といったジャンル分けそのものが無意味であるとも感じます。色んなことに気づかされる映画です。

(駒井尚文)

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