「最後の仕送り」は旅立った老猫への餞に…6年間の愛、夫婦の勇気 猫を救った涙のエピソード(オリコン)

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出典元:オリコン

毎週、NPO法人『ねこけん』による保護猫のエピソードを紹介してきたORICON NEWSの連載。懸命に外で生きる猫、ケガや病気の猫、そして人間の手で救われた猫…。ここでは、2021年とくに反響の大きかった猫たちの物語をあらためて紹介する。殺処分寸前に年若い女性の援助で救われた老猫“三毛婆さん”、交通事故で瀕死のところを夫婦に助けられた“ちびまる子”。猫と人間の絆を感じるエピソードを、代表理事・溝上奈緒子氏のコメントとともに振り返る。

【動画】涙なしには見られない…! 老猫・三毛婆さんの命を救い、支え続けた女性の物語

■殺処分寸前の25歳の老猫、年若い女性が6年間送り続けた愛と「最後の仕送り」

 2017年9月26日、25歳になった猫、三毛婆さんが息を引き取った。人間でいうと116歳というスーパーご長寿のおばあちゃん猫。しかし、三毛婆さんは一度、命を絶たれそうになったことがある。それを救ったのは、1人の女性だった。

 当時20歳くらい、ドラッグストアで働いていたというその女性は、お客の老女から「19歳の老猫を飼い続けられなくなった。保健所で殺処分してもらうしかない」と聞き、『ねこけん』に助けを求めたそうだ。なんとか老女から猫を引き取ったものの、老猫となると譲渡会で家族を見つけるのも難しい。すべてを考慮した上で、溝上氏が自ら猫を引き取ることに。“三毛婆さん”と名付けられたその猫は、最初こそ輝きを失った目をしていたものの、日を追うごとに元気を取り戻し、くるくると表情を変えるようになった。その様子は、とても19歳の老猫とは思えないほどだった。

 そんな風に救われた三毛婆さんだったが、溝上氏は最初に救いの手を差し伸べた、年若い女性依頼者のことが今でも忘れられないという。

 「『ねこけん』で猫を保護した場合、依頼者から月1万円の保護費用を支払ってもらうシステムになっています。でも三毛婆さんの場合は私が飼うことに決めたので、保護費用はいらないと伝えました。でも依頼者の彼女は、『自分にはそれくらいしかできないから』と、自分ができる範囲で5000円を毎月支払ってくれたんです」。

 20歳前後の女の子にとって、毎月5000円の出費は厳しかったことだろう。そもそも、自分が飼っていた猫でもない。だが彼女は、それから6年もの間、一度も欠かすことなく払い続けた。たとえ一緒に住んでいなくとも、彼女は間違いなく三毛婆さんの家族。毎月払い続けたお金は、彼女から家族へ向けた愛情だったのだろう。

 そんな愛に支えられ、三毛婆さんは溝上家で強く愛らしく、幸せな生活を送った。だが、ついに別れのときがくる。溝上家に来て6年、2人の家族に守られた三毛婆さんは息を引き取った。

 「彼女には、元気な三毛婆さんの写真をいつも送っていました。三毛婆さんが亡くなったことを伝えると、『ありがとうございました。私には仕送りしかできなくてすみませんでした。みなさまには感謝でいっぱいです。最後の仕送りをします。お花を買ってください』と、1万円を送ってくださいました」。

 静かに眠る三毛婆さんの傍らには、彼女が最後に送ってくれたお金で買った花が添えられた。そのピンクの南国の花は、三毛婆さんの胸に咲くトーチのようだった。

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