出典元:『ビッグコミック』
20XX年、尖閣諸島沖での海上自衛隊と中国海軍の衝突の危機が高まる中、日本政府が就役させた事実上の空母「いぶき」。翌年、ついに中国軍が尖閣と先島諸島に上陸・占領。日本政府は垂水慶一郎総理の指揮の下、武力による奪還を決断。最新鋭戦闘機を搭載した「いぶき」の艦隊による作戦の火蓋を切る。
そんな架空の戦闘を描いたマンガ『空母いぶき』の実写映画が24日に公開されるのを前に、垂水総理を演じた俳優の佐藤浩市さんへのインタビュー記事が物議を醸している。
原作が連載されている『ビッグコミック』に掲載されたこのインタビューの中で、佐藤さんは「最初は絶対にやりたくないと(笑)。体制側の立場を演じることに対する抵抗感が僕らの世代の役者には残っているんですね」と明かしている。また、原作では戦闘開始の決断を下すプレッシャーで嘔吐する場面が描かれているが、佐藤さんは「彼はストレスに弱くて、すぐにお腹を下してしまうっていう設定にしてもらったんです。だからトイレのシーンでは個室から出てきます」ともコメントしている。
ネット上では、この発言が安倍総理の潰瘍性大腸炎の持病を揶揄しているのではないか、との見方が浮上、「バカにしているととられても仕方ない発言だな」「病気で苦しむ人も傷付いているかもしれない」といった批判的な意見も次々と書き込まれている。
ただ、明星大学の藤井靖准教授によると、「ストレスでお腹が痛くなる病気は過敏性腸症候群で、安倍総理が罹った潰瘍性大腸炎は身体の器質的な問題で、ストレスによって悪化することはあっても発症することはない」のだという。
また、この論争に対し、出版元の小学館は「作品はフィクションで実在の人物とは関係ありません」、原作者のかわぐちかいじ氏は「ネットを見ないため(批評の内容が)分からない。この件に関してはノーコメントでお願いします」、そして佐藤さんの所属事務所は「コメントを出すことはありません」としている。